マウスピース矯正 · アタッチメント
インビザラインのアタッチメント、
つけないといけませんか?
このページの内容
「前歯につける突起、どうしてもつけないといけませんか?目立たないか心配です。」
「アタッチメントが外れたら、どうすればいいですか?」
結論から申し上げると、アタッチメントはすべての歯につけるものではなく、必要な歯にだけつける「取っ手」です。いちばんの役割は、マウスピースが歯にぴったり合い、浮き上がらないようにつなぎとめることです。つるんとした歯の表面にはマウスピースが引っかかる場所がないため、歯を押している間にマウスピースが少しずつ浮きやすくなります。マウスピースがしっかり密着していてこそ、力が計画した位置に伝わります。会話のときに見える前歯には、本当に必要なところにだけつけます。
ひと目でわかる — インビザラインのアタッチメント
| 結論 | すべての歯ではなく必要な歯にだけつける、マウスピースの取っ手です。 |
|---|---|
| 役割 | マウスピースが歯にぴったり合い、浮き上がらないようにつなぎとめます(適合と保持力)。マウスピースがしっかり密着していてこそ、力が計画した位置に伝わります。 |
| 数と位置 | 人によって異なり、クリンチェック(治療の設計)で歯の動きに合わせて決めます。 |
| 目立ち具合 | 歯の色に合わせたレジンなので、つけていても、ほとんどの場合あまり気づかれません。前歯には本当に必要なところにだけつけます。なしにするとマウスピースの固定が弱まり、追加アライナー(リファインメント)が増えることがあります。 |
| つけるとき | 痛みはありません。麻酔なしで、歯を削らずに表面に接着します。 |
| 外れたら | 最初の6か月で13.7%が外れ、下あごと奥歯で外れやすい傾向があります。次の来院を待たずに、写真をLINEで送ってください。つけ直す処置は、韓国に来ていただいたときに行います。 |
| お手入れ | ホワイトスポットはブラケット装置より起こりにくく、できても治療できますが、アタッチメントの周りは歯垢と着色がつきやすいため、飲み物のあとのうがいと丁寧な歯みがきが必要です。 |
本文の各項目の要約です。数値は文献上の平均値で個人差があり、出典は本文に記載しています。
アタッチメントとは何で、なぜつけるのですか?
アタッチメントは、歯の表面につける歯の色のレジン(コンポジットレジン)の突起です。サイズは小さく、四角いものや斜面のあるものなど、必要な役割によって形が異なります。
いちばんの理由はマウスピースの適合と保持力、つまりマウスピースが歯にぴったり合い、簡単には浮き上がらないようにすることです。マウスピースは薄いプラスチックで歯を包んで押します。ところが歯の表面は丸くてつるんとしているため、歯を押している間にマウスピースが少しずつ浮きやすくなります。マウスピースが浮くと、力が計画した位置に伝わりません。アタッチメントはマウスピースの内側のくぼみとかみ合い、マウスピースを歯につなぎとめる取っ手の役割をします。斜面のあるアタッチメントをつけると、マウスピースを外すのに必要な力、つまりマウスピースが歯にとどまる力が、アタッチメントがないときよりはっきり大きくなります。丸い形では大きな差はありませんでした。[1]
まとめると、アタッチメントはマウスピースを歯にしっかりつなぎとめて、力が計画した位置に伝わるようにする道具です。それでもマウスピースだけで計画がすべて実現するわけではないため、途中のチェックと追加アライナーもあわせて考えておきます。計画と実際の差は、インビザラインのクリンチェックは、誰がどう設計する?でご説明しています。
どの歯に、いくつつけますか?
人によって異なります。数と位置は、その方に必要な歯の動きによって決まります。
- 大きく動かす歯 — マウスピースが長い間、しっかりつかんでいる必要がある歯につけます。
- 踏ん張る歯 — ほかの歯を動かしている間、その場にとどまっていなければならない奥歯につけることもあります。
- ほとんど動かない歯 — つけないことが多いです。
そのため、前歯を数本だけ軽く整える部分矯正と、抜歯したスペースを閉じる全体矯正とでは、アタッチメントの数が大きく異なります。
位置と形、数はクリンチェック(治療の設計)の段階で決めます。最初の設計案はメーカーがつくりますが、担当の歯科医師が動きごとにアタッチメントを修正して承認します。アタッチメントの形によってマウスピースをつかむ力も違ったため[1]、ここは設計の中でも特に気を配るところです。設計の過程は、クリンチェックのページの「設計では何を決めますか?」でご説明しています。相談のときに「アタッチメントはどこにつきますか?」と聞いてみると、設計をどれだけ検討したかが分かります。
どのくらい目立ちますか?前歯はなしにできますか?
アタッチメントは歯の色に合わせて、それに合う色のレジンでつくり、その上に透明なマウスピースをはめるため、離れて見るとほとんど目立ちません。近くで見ると小さな突起に見えることがありますが、ほとんどの場合、アタッチメントをつけていても周りの人はあまり気づきません。前歯にアタッチメントをいくつかつけた笑顔は、何もつけていない笑顔と同じくらいに評価され、アタッチメントが何かを知っている人も13.9%にとどまりました。[2]

それでも、会話のときに見える前歯のアタッチメントは本当に必要なところにだけつけ、奥歯のように見えにくい位置でできることは、そちらに任せるように設計します。
前歯のアタッチメントをなしにしてほしいとお願いしたら?
なしにできる場合もありますが、その代わりに起こりうることがあります。
- マウスピースの固定が弱まります — アタッチメントをなくすと、その部分でマウスピースが歯をつかむ力が弱まり、浮きやすくなります。
- 歯がついてこないことがあります — マウスピースが浮くと、その歯は計画より動きが少なくなり、途中でもう一度スキャンしてマウスピースをつくり直す追加アライナーが必要になったり、その回数が増えたりすることがあります。そのぶん期間も長くなることがあります。
- 歯によって異なります — ほとんど動かない前歯なら、なしにしても影響は小さいことがあります。どんな動きが計画されているかによって判断が変わります。
前歯のアタッチメントが気になる方は、相談のときに前もってお伝えください。前歯ごとにどんな動きが計画されているかを見て、なしにできるものと残すべきものを分けてご説明します。
つけるときに痛くないですか?
はい、痛みはありません。歯を削らずに表面に接着する処置なので、麻酔も必要ありません。手順は次のとおりです。
- 歯の表面を整える — つける場所をきれいに磨いて乾かします。
- 酸処理(エッチング) — 弱い酸を少しの間塗ってから洗い流し、レジンがよくつくように表面を処理します。
- 接着 — 接着剤を塗り、アタッチメントの形のくぼみにレジンを詰めた薄い型(テンプレート)を歯にはめてから、光を当てて固めます。
- 仕上げ — 型を外し、縁からはみ出したレジンを整えます。
不便に感じるのは痛みよりも、口を開けている時間と、歯を乾いた状態に保つために唇を広げておく器具くらいです。つけたあとは、舌や唇に突起が当たる感じに違和感があるかもしれませんが、多くの場合、マウスピースをつけて過ごすうちに慣れていきます。
外れたりすり減ったりしたら、どうすればいいですか?
アタッチメントは、治療中に外れることもあれば、少しずつすり減ることもあります。
- 外れる場合 — 最初の6か月で、つけたアタッチメントの13.7%が外れ、その多くは治療の初期に起きていました。下あごは上あごの1.8倍、奥歯は前歯の5.5倍外れやすくなっています。[3]
- 外れやすくなる習慣 — マウスピースを1日5回以上と頻繁に付け外しする場合、装着時間が1日18時間より短い場合、片側だけで噛む場合に外れやすくなります。[4] マウスピースを付け外しするときは手でゆっくり扱い、1日20〜22時間の装着を守っていただくことが役に立ちます。
- すり減る場合 — 外れなくても、治療期間が長くなるほどアタッチメントの体積は少しずつ減り、角や角ばった面からすり減っていました。[5] すり減って形が丸くなると、マウスピースをつかむ力も弱まることがあります。
通常2〜3か月ごとの来院のたびに、アタッチメントが所定の位置にあるか、大きくすり減っていないかも確認します。チェックする項目は、クリンチェックのページの「治療中は何を確認しますか?」でご説明しています。
色が変わりませんか?周りに歯垢がたまりませんか?
どちらも起こりうるため、アタッチメントの周りは少し気をつけてお手入れします。
- 着色 — お茶、コーヒー、赤ワインにさらしたとき、アタッチメントがついた歯はついていない歯より色が大きく変わり、マウスピースをはめた状態では色の変化が小さくなりました。[6] 飲み物を飲むときはマウスピースを外すので、その間アタッチメントはむき出しになります。水以外の飲み物を飲んだあとは水で口をすすぎ、できれば歯みがきをしてからマウスピースをはめ直してください。
- 歯垢 — アタッチメントの周りでは、歯ぐき側の面と奥側の面に歯垢が多く残り、手用歯ブラシと電動歯ブラシで除去効果に差はありませんでした。[7] 道具よりも、毛先を突起の縁に当てて磨く方法が大切だということです。
- ホワイトスポット — ホワイトスポット(エナメル質が白く脱灰した跡)は、マウスピース矯正のほうがブラケット装置より起こりにくく、できても程度が軽くなっています。マウスピースを外して磨けるため、歯垢がたまりにくいからと考えられています。[8] ただし、マウスピース矯正の中でも前歯のアタッチメントが多いほど多く見られ、1日の歯みがきの回数が多いことと、食後にマウスピースを洗う習慣は予防に役立ちました。炭酸飲料をよく飲むことはリスク要因でした。[9]
もしホワイトスポットができても、治療できます。矯正治療が終わったあと数か月様子を見て少し薄くなるかを確認し、残った斑点はアイコン(Icon)レジンのような方法で治療します。
まとめ
- アタッチメントは歯の色に合わせたレジンでつくる、マウスピースの取っ手です
- いちばんの役割は、マウスピースが歯にぴったり合い浮き上がらないようにすること、つまり適合と保持力です
- どの歯にいくつつけるかは人によって異なり、クリンチェックで決めます
- 会話のときに見える前歯には、本当に必要なところにだけつけます。なしにするとマウスピースの固定が弱まり、追加アライナーが増えることがあります
- つけるときに痛みはなく、歯を削りません。外れたら次の来院を待たずに、写真をLINEで送ってください
- 周りに歯垢と着色がつきやすいため、飲み物のあとのうがいと丁寧な歯みがきが必要です
参考文献
- Dasy H, Dasy A, Asatrian G, Rózsa N, Lee HF, Kwak JH. Effects of variable attachment shapes and aligner material on aligner retention. Angle Orthod. 2015;85(6):934-940.(PMID 26516708;斜面のあるアタッチメントは、アタッチメントなし・楕円形のアタッチメントと比べてマウスピースの保持力を有意に高め、楕円形では有意な変化なし)
- Carvalho Alves K, Costa E Silva R, França Didier V, Pedron Oltramari PV, Freire Fernandes TM, Rodrigues de Almeida-Pedrin R, Rodrigues de Almeida M, de Castro Ferreira Conti AC. Perception of smile attractiveness with different orthodontic aligner configurations. Angle Orthod. 2026(オンライン先行公開).(一般の人193人;前歯にだけアタッチメントをつけた笑顔は自然な笑顔と同程度の評価、マウスピース・顎間ゴム・アタッチメントが多いほど低い評価;アタッチメントを知っている回答者は13.9%)
- Li Q, Yang K. Loss of attachments in patients during orthodontic therapy with clear aligners: a prospective clinical study. Orthod Craniofac Res. 2024;27(2):244-250.(47人・アタッチメント722個、6か月;脱落率13.7%、初期に多い;下顎1.8倍、臼歯5.5倍)
- Yaosen C, Mohamed AM, Jinbo W, Ziwei Z, Al-Balaa M, Yan Y. Risk factors of composite attachment loss in orthodontic patients during orthodontic clear aligner therapy: a prospective study. Biomed Res Int. 2021;2021:6620377.(94人;1日5回以上のマウスピースの付け外し、1日18時間未満の装着、片側噛みなどが脱落のリスク要因)
- Li Q, Yang K. Surface wear of attachments in patients during clear aligner therapy: a prospective clinical study. Prog Orthod. 2024;25(1):7.(47人・アタッチメント617個、8か月;治療期間に応じて摩耗の体積が増加、四角いものは角から摩耗)
- Bilginer P, Kurnaz M, Basaran E. Evaluation of tooth discoloration and bleaching response in the presence of clear aligners and attachments. Eur J Orthod. 2026;48(3):cjag023.(抜去した小臼歯40本をお茶・コーヒー・赤ワインにさらした実験;アタッチメントがある歯で着色が大きく、マウスピースは色の変化を抑える)
- Arslan Çarpar K, Yılmaz T. Plaque removal efficacy of manual versus powered toothbrushes in patients with clear aligners: a single-brushing randomized controlled trial. BMC Oral Health. 2026;26(1):1100.(成人14人・歯244本;アタッチメント周囲の遠心面・歯肉側の面に歯垢が多い;手用・電動歯ブラシで差なし)
- Raghavan S, Abu Alhaija ES, Duggal MS, Narasimhan S, Al-Maweri SA. White spot lesions, plaque accumulation and salivary caries-associated bacteria in clear aligners compared to fixed orthodontic treatment: a systematic review and meta-analysis. BMC Oral Health. 2023;23(1):599.(PMID 37635207;マウスピース矯正では固定式装置よりホワイトスポットの発生と程度、歯垢、むし歯に関係する細菌が少ない)
- Liu Q, Song Z. Incidence, severity, and risk factors for white spot lesions in adolescent patients treated with clear aligners. Orthod Craniofac Res. 2024;27(5):704-713.(青少年203人;前歯のアタッチメントの数・炭酸飲料の頻度がリスク要因、歯みがきの回数・食後のマウスピースの洗浄が予防要因)
このページは一般的な教育目的の情報であり、個別の診断に代わるものではありません。引用した数値は文献上の平均値です。アタッチメントが必要な歯と数、形は、必要な歯の動きと噛み合わせによって変わるため、精密検査のうえで矯正歯科専門医とご相談のうえ決めてください。